日本人類遺伝学会評議員中堀 豊先生は、4月27日(月)、逝去されました。享年53歳でした。
先生は、昭和55年3月東京大学医学部医学科を卒業され、同大学医学部附属病院小児科に入局されました。その後、元人類遺伝学会理事長、中込弥男先生のもとに学ばれ、国立遺伝学研究所助手、連合王国オックスフォード大学分子医学研究所助手、国立小児病院小児医療研究センター先天異常研究部遺伝染色体研究室長をへて平成 4年7月東京大学大学院医学系研究科助教授(人類遺伝学)に、平成9年 6月 徳島大学医学部教授(公衆衛生学)に就任されました。同大学では附属病院・遺伝相談室長、医学部医学科長も併任されました。
研究面では、一貫して性染色体(とくにY染色体)を専門とし、Y染色体のキナクリンリピート(DYZ1)の構造決定、歯エナメル質形成アメロゲニン遺伝子の同定、同遺伝子による簡易男女性別判定、無精子症遺伝子の解析など、多くの業績をのこされました。中でもアメロゲニン遺伝子による簡易男女性別判定法は、その後オリンピックでの選手のセックスチェックにも利用されました。また近年では小児を対象とした肥満、糖尿病のフィールドワークや、縄文人や弥生人からみた日本人の特性についての研究を展開されてこられました。これら一連の業績により、平成3年日本人類遺伝学会奨励賞、平成20年徳島県知事表彰を授与されました。
また人類遺伝学会では長年にわたり庶務幹事、遺伝医学セミナー実行委員長などをおつとめになり、本学会の発展につくしてこられました。
私事で恐縮ですが、私は、中堀先生が東京大学人類遺伝学助教授のとき助手としてよんでいただいただけでなく、大学のテニス同好会の後輩でもあり、30年前真っ黒に日焼けしながらラリーを続けておられた中堀先生の姿が今でも思い出されます。いつもあの優しいお顔でお声をかけていただきました。
本当に惜しい人を亡くしました。ここに謹んで哀悼の意を表します。
日本人類遺伝学会理事
神戸大学大学院医学研究科 神経内科学/分子脳科学 教授
戸田 達史
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